自宅で倒れていた桃源先生。無事なのだろうか――。
ドメスティックな彼女【ネタバレ】211話「父として、娘として」
211話は、幼き日の華先輩のエピソードから始まる。
小学生の華。友達の家で読みたかった本を借りる。
念願の本を手に喜ぶ華に、返すのはいつでもいいよと友達。
華は、友達の家で読ませてほしいとお願いする。
「うち お母さんが本嫌いで・・・あたしが読んでると機嫌悪くなっちゃうんだ」
そのうち友達のお父さんが帰ってくる。
ケーキを買ってきたというお父さんと喜ぶ友達、そんな二人の様子を見つめる華――。
場面は変わり、救急車の中で目覚める桃源先生。
桃源の意識が戻ったことに安堵する夏生。
そんな夏生の心配をよそに、大丈夫だから下ろしてくれという桃源。
ちゃんとした検査をうけるように夏生が必死に促す。
検査が終わり、医師から呼ばれる夏生。
「率直に申し上げると 癌の疑いがあります」
予想もしていない医師からの言葉に戸惑う夏生。
医師は、肺にはっきりと影が確認されること、詳しい結果を見ないと断言できないが疑いがかなり濃厚であることを淡々と話す。
「できればこのまま精密検査をして早めに手術した方がいいでしょう」
病室で話す桃源と夏生。
早めに手術すれば大丈夫だし、それらの手続きは自分が手伝うと申し出る夏生に桃源が言う。
「手術はしない」
癌で死ぬことも運命だと話す桃源に、夏生が問いかける。
「やっと華先輩(むすめ)に会えたのにですか・・・?」
夏生の問いかけに答える桃源。
「・・・関係ねぇさ 今更父親面する気もねぇよ
俺はな 草亮(むすこ)のことがあってから 贖罪の為に生きてきた 多分これは俺への『罰』であり『救い』
それなら全て受け入れよう」
桃源の言葉に、やりきれないようなもどかしそうな表情を浮かべる夏生。
友達とお茶をする華。
華の書いた小説が載った本を見て、作家業がうまくいけば就職しなくていいんじゃないのと友達。
「ダメダメ 作家目指すって言っても母親には内緒だもん」と話す華の携帯が鳴り、夏生からラインが届く。
会って話したいことがあるからこれから会えないかとのことだった。
その後、カフェで夏生と会う華。
桃源が自分の父親であることを夏生から告げられる。
驚く華。
「桃源先生って あの桃源繁光先生が? 表彰式でお会いした?」
状況が飲み込めない華を前に、夏生は続ける。
桃源は華が事実を知ることを望んでいないだろうし、他人様の親子関係に自分が首をつっ込むべきではないとも思っていると。
だけど理由があって、もう一度桃源に会ってほしいと。
夏生は最後にこう付け足す。
「先生の娘として」
話し続ける夏生に、急なことで頭が追いつかないと話す華。
母親から聞いていた父親像と違いすぎて戸惑っているとも話す。
母からは「家族を顧みないひどい人で あの人のせいであなたのお兄ちゃんは死んだのよ」と聞いていた華。
そこから相当いい加減な人なんだと思っていたという。
母のこともあるし今は返事できないと、夏生に告げる華。
その夜――。
お風呂に入りながら小学生の頃を思い出す華。
学校で父の日をテーマに書いた作文を読む華。
お父さんはわたしがほしいご本をたくさん買ってくれます
お休みの日は色んな所に遊びに連れてってくれるし
お仕事の帰りにはいつもケーキを買ってきてくれます
作文を聞いて、はなちゃんのお父さんすごいねと友達。
もしお父さんがいたら こんなお父さんがいいです!
なんだ~、だったらいいなって話?と笑うクラスメート達。
本をたくさん借りてきた華に、本ばかり読むから目が悪くなる、返してきてあげるから公園で遊んでおいでと話す母親。
本を抱えた母親が言い残した一言。
「まったく やっぱり血なのかしら」
お風呂からあがり、部屋で桃源の『光』という本を開く華。
この作品を私が愛する者と 全ての抱え生きる者たちにささげる
と書かれている。
本を読んでいく華。
翌朝、夏生の携帯に、会ってみようと思うと華からラインが届く。
夏生と華は桃源の元へと向かう。
華が話す。
「昨晩ね? 先生の本ずっと読み返してたんだ
先生の作品って 光の当たらない人や立場の弱い人 声を上げられない人に焦点を当てた作品が多いんだよね・・・それって先生も苦しんできたからなのかなぁって・・・」
夏生はこう返す。
「それ聞いたら先生喜ぶと思います
子供が会いに来てくれて嬉しくないワケないと思いますから」
夏生の言葉に少し微笑む華。
病院に着く二人。
病院?と不思議がる華に、桃源が少し体調を崩していると説明する夏生。
二人が病室に向かっていくと、看護士達がバタバタしていて何か騒々しい。
何かあったのかと聞く夏生に告げられたのは、桃源がいなくなってしまったということだった――。
ドメスティックな彼女211話「父として、娘として」感想!
華の小学生のエピソードの数々、ちょっと切ないですね。
華のお母さんの気持ちも分かるし、それでも憧れてしまう父親の存在みたいな。
お母さんを大事に想って、今でも小説を書くことを秘密にする華の姿も、なんだかえらいなと感じました。
そして華が桃源との親子関係に向き合おうとしてくれてよかったですね。
思ったよりさらっと夏生から告げられてしまったけど 笑
桃源先生については、癌だの逃亡だの気になること続きです。
楽しみに次回を待ちます!