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【 秦・壁軍、メラ族軍 】
”ひとりでも多く生き残り、立て直す”ために敗走を続けている壁軍とメラ族軍は、敵将ブネンが追撃の手を休めている時を見計らって小休止を取っていました。
壁軍もメラ族軍も負傷者の数は多く、撤退戦の難しさが窺えます。
壁にいつもの爽やかな目力がありません。
憔悴した壁に朗報が入ります。
「壁様っ キタリ殿が意識を取り戻しました」
兄のカタリをブネンに殺され、我を忘れて敵陣内に単独で突っ込み、敵に倒されて意識を失っていたキタリ。
そのキタリを窮地から救ったのが壁でした。
壁がキタリのいる場所まできてみると、メラ族の兵士たちが暴れるキタリを必死に抑えていました。
キタリはカタリの仇も取らずに自分が生きていること、皆が生き永らえてることに納得できず、周りに当り散らしていました。
キタリが壁の姿を見つけ、駆け寄ります。
そして思いの丈をぶつけます。
「貴様っ 平地に住むクソどもォ!」
「お前らの戦争でカタリが死んだっ! わかってんのか!」
「お前らが弱いから死んだんだっ!お前が弱いから!」
「カタリを返せっ!兄を返せェっ!」
壁個人としては、すぐにキタリとメラ族に詫びたかった。
だが今は将軍として、指揮官として、キタリと話をして事態を少しでも好転させねばならない。
「キタリ殿、今だけでもカタリ殿の死を忘れてくれ」
族長のカタリが討ち取られ、メラ族の戦意は完全に失われている、敵の次の攻撃に耐えられるとは思えない。
次の族長が立ち、メラ族の精神的支柱となってもらわねばならないことを壁はキタリに諭します。
「今メラ族を支えられるのは 次の族長のキタリ殿だけなのだ」
壁の言葉を通訳を通して聞いたキタリは、幼い時に
兄カタリから教えられた”族長”とは何をする者なのかを思い出していた・・
兄カタリは、メラ族のために何をすべきか考え、実践する者が族長なのだと教えてくれた。それが分からなければ分かるようになるまで兄をマネればいいとも。
兄カタリであったら今の状況を見てどうするか・・
冷静さを取り戻したキタリはとりあえず壁を殴ります。
ゴッ
「お前に言われなくても分かってるんだよっ」
そして、キタリがメラ族に号令を下します。
「今この時より カタリの仇を討つまで 一切の涙を禁ずる!」
まるで自分自身に言ってるようです・・
生き残っているメラ族の兵力で新たに小隊・中隊を編成し、メラ族軍の”立て直し”指示を出すキタリ。
「ヘキショウグン!」
壁に宣言とも、誓いとも、約束とも取れることを言います。
「カタリの死を忘れることなどできるわけがない この怒りを胸にブネンの首を狙う。 共に戦いカタリの仇を討つぞ!」
壁も即答します。
「もちろんだ!共に力を合わせてブネンを倒そう!」
壁軍兵とメラ族軍兵の士気が一気に上がります。
するとそこへ壁軍の偵察兵から急報がもたらされます。
「ブネン軍がきっ・・消えたのです!」
壁とキタリはブネン軍が猛追して来ているとばかり思っていたので、驚きを隠せません。
「消えた!?」
報告は続きます。
偵察兵がブネン軍の行方を捜索したところ、どうやらブネン軍は隣の戦場に向かったとのこと。
壁は隣の戦場で犬戎三兄弟らの軍と戦っているであろうバジオウ軍のことを思い浮かべます。
「ブネンはバジオウを狙いに行ったのか!?」
偵察兵の報告は続きます。
狙われているのはバジオウではなく・・
戦場に現れた楊端和将軍であり、現在敵の大軍から追撃されて大勢の犠牲を出しながら後退中であると。
ブネンもそこに加わりにいったのではないかと。
壁とキタリにとっては寝耳に水の話。
「なっ 何だとォ!?」
【 秦・山の民連合軍 vs 趙・正規軍犬戎軍連合 】
日没になっても趙・正規軍とロゾ軍の連合軍は、楊端和軍への追撃を止めず、着実に山の民連合軍に傷を負わせ、その数を削っていきましました。
ロゾに報告が入ります。
「壁面の地に山の王を追い込みました」
舜水樹が壁面の地についてロゾに説明を求めると、ロゾは笑みを浮かべながら話をはじめました。
壁面の地とは、行き止まりの場所であり、とっておきの狩り場なのだと。
「いよいよ
山の王の皮を剥ぐ時がきたぞ」
【 壁面の地・最奥部 】
公孫龍率いる趙正規軍と犬従軍の大連合に囲まれ、身動きが取れなくなっている 山の民連合軍。
公孫龍は今の圧倒的な状況から、勝利を確信している。
ここで山の民を、楊端和を討つことで秦の”鄴攻め”の野望を確実に砕けると確信しているのです。
「終わりだ 山民族共・・・」
ここまでの後退戦で山の民連合の数は半数近く削られ、生き残った者も憔悴しきっている。
多くの山の民が覚悟を決めていました。
ただひとりを除いて・・
突然、楊端和が山の民に号令を発します!
「顔を上げろ山の勇達よ!
「この戦いは盟友 秦国の夢と存亡をかけた戦いだ!
「結集はこの戦いのためであったと思い最後まで戦え!
楊端和の声は、この絶望的ともいえる現状に光を失っているような声ではありませんでした。
いつも通り自信に満ち溢れた迷いのない楊端和の声を聞いた山の民連合軍は悟ります・・
まだ我らの王、楊端和は”勝つ気でいる”と。
その声、言葉が、まるでドーピングのように山の民連合を覚醒させていきます。
「いいか!明日の太陽は 我らの勝利を祝う太陽だ!」
鬼に金棒、山民に楊端和。
バジオウ軍、シュンメン軍、タジフ軍の士気が高揚!
「全軍 突撃だーーーー!!」
キングダム 567話 END
キングダム567話感想と568話考察
今回は秦側の士気が再び戻るお話でした。
壁の”立て直し”はいつの間にかキタリの”立て直し”にすり替わっていて、それでいいのか壁?って感じですけどね。
前回でも指摘したように、楊端和は未だに汗ひとつかいていませんし、返り血の一滴すらも浴びてはいません。
想定の範囲ってことです。
ロゾは今回もまた皮をひん剥いて犯すとか言っております。完全にフリとみていいんじゃないでしょうか・・
きっとロゾは皮をひん剥かれて終るのでしょうね。
これだけピンチに描かれているのに、ピンチに感じないのはなぜなんだろうって考えると、
それは一騎当千を地で行くキャラを作りすぎてるからなんでしょうね・・
原先生もどこかで、一騎当千キャラが名も無き一般兵たちにやられる前例を作らないと、いくら兵数差を描かれても読者に緊迫感は生まれませんよね。
無双と天才が蔓延る漫画は結果薄味になっちゃいますから。
壁面の地にいろいろ集結しそうですね。
フィゴ王vsロゾ王 キタリvsブネン バジオウvs公孫龍 など
バトルがたくさん見れそうで楽しみ~
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