彼女、お借りします【ネタバレ】65話
台所で寝ていた(ホントは起きてる)和也の背後に
いつの間にか、るかが寄り添うように。
「和也くん・・・?」背中にそっと、るかの指が触れる。
和也の心臓はバクバク。
『一体どういうつもりだ!?』
『ダメだ・・・ッ 返事したらヤっちまう』
『バカ俺・・・ッ 完全復活してる・・・っ』
『足りなかった!!・・・一回ヌいただけじゃ全然足りなかったっ!!!』
爆発しそうな気持ちでいっぱいの和也。
「和也君聞いてる・・・?」
るかの手が、さらに和也の背中の服をぎゅっとつかみます。
『ヤっちゃう!!!』何度も本能が叫び、もう脳の中は理性が溶ける寸前の和也。
『振り向けば俺のモノ。るかちゃんの唇、おっぱい・・・全て・・・っ』と、頭の中は大混乱。
そんな時ふと和也の目に入ったのは、千鶴からもらったスマホのケース。
千鶴からもらった時の情景を思い出します。
ちょっとだけ冷静になる和也。
「覚えてますか?ホテルで言ったこと・・・」るかが話し出します。
「わかってるんです。あんなこと言ったって私には
和也君の求める魅力はないんだって・・・・」
「迷惑なのはわかってるんです。でも我慢できないんです。」
「こうしてるだけで私涙が出るほど幸せで・・・」
聞いててたまらなくなった和也。
くるまってた布団から飛び出て、るかの手首を掴み、上に覆いかぶさるような態勢をとります。
「魅力が無いわけねーじゃん!!めちゃくちゃヤりたいと思ってるよっ!!]
「でもそれはまだ好きとは多分ちょっと遠くて・・・
そんな中途半端な気持ちのままでできないっていうかヤっちゃいけないっていうか・・・」
「俺でも君みたいなコに好きって行ってもらえるんだって」
「だから・・・今日は離れて寝てくれ・・・ その・・・ヤっちゃう・・・から」
和也の言葉を聞いて、るかはスタスタと部屋に戻り布団に入ります。
ホッとした和也。反面、何もったいねーことしてんだと思いつつ。
一方、るかは、和也からの言葉を思い出しながら
自然に笑顔満面になります。
雨も止み、一夜明け、るかは帰ることに。
「和也君はゆっくり寝てください。」
結果一睡もしていない和也を見て、るかは玄関で言います。
「まぁえっちはおあずけってことで♡」
るかは、また和也にドキッとすることを言った後で、
「和也君、私のこと・・・ずっと迷惑なんだって思ってたから・・・
ここにいていいよって言われた気がして」
「るかちゃん・・・」
言い終わった後に、るかは和也の頬にチュッとキスをします。
「馬・・っ!何をっ!!」
玄関のドアを開け、るかはニコっと和也に笑いかけます。
カワイイと思う和也。
るかは息を吸い込み、隣の千鶴の部屋のドアに向かって
「それでは和也君ありがとうございましたー」
「忘れられない夜を過ごせましたーっ!!」
大声で叫びます。
突然の行動に和也はフリーズ。
続けてるかは
「この幸せな夜を私は一生忘れないでしょーっ」
「ではっ」
和也の制止も空しく、るかは笑顔を残して立ち去ります。
大変なことになった・・・と恐る恐る千鶴の部屋のドアを見ると、
千鶴は出てきません。
『さすがにまだ寝てるか・・・』
和也は安心して自分の部屋に戻ります。
ところがゴミを出すところだった千鶴は
玄関に座り込んで聞いていたのでした。
彼女、お借りします65話の感想!
とりあえず、るかとの夜を何もなくやり過ごした和也でしたが、
結局千鶴には誤解させることになっちゃいました。
るかちゃんが絡むと、こうなりますね。
まだまだ二人の間の距離は、縮まりそうもないですね。