前回のあらすじ
登別温泉で療養していた菊田は二階堂と宇佐美に変な文様の服の男について話していた。
その男を見たのは有古であり、有古によると変な文様の服の男は真っ暗な中を下駄で逃げたが、足跡は雪草鞋だったという。
しかし、二階堂と宇佐美はこの話に興味が薄いらしく「アイヌではないか?」と言うが、有古はアイヌであり「アイヌの服ならわかる」と返される。
菊田は按摩を受けながら「按摩さん知らない?」と聞くが、その按摩をしている男こそ「都丹 庵士」だった。
「アイヌの変わった文様の服ですか? さぁ・・・今度見かけたら教えますよ」
一方で杉元とアシリパは北海道に帰還する道中で相棒契約の更新を行っていた。
金塊を見つけることで父の死の真相がわかるかもしれないと言うアシリパ。
金塊を見つけて争奪戦からアシリパを離れさせたい杉元。
「じゃあ、まだ道は同じだな私たち・・・・」
「そうだな相棒の契約更新だ」
ゴールデンカムイ193話「登別温泉」始まります。
今日は樺太も平和です。
北海道に帰るべく杉元たちは樺太に滞在していた。
エノノカがニヴフ民族の話をみんなに聞かせている。
「ニヴフに『ばけもの川』というお話がある・・・」
「え? やだ怖い話?」
エノノカの話に一番に反応したのが杉元だった。
嫌がる杉元だがエノノカは話を続ける。
「むかし男がばけもの川で魚をとって焼いていた」
「遠くで人の声がして、足音が近づいてきた」
「だから男は服を全部脱いだ」
思わず杉元が「なんでだよ!」とつっこむが、話そのものがニヴフ語をアイヌ語に訳して、さらにアイヌ語をエノノカが杉元達に訳して話している。
「化け物がでる川だからだって・・・」
話しているエノノカ自身もなぜ裸になるのかはよくわかっていない。
「男は焚き火のスミでお尻に大きな目を描いた」
「男は化け物が来る方にお尻を向けて股の間から見ていた」
「化け物が来るとその大きな目を見て怖がって近づけなくて逃げていった」
「こうしてばけもの川に化け物がもう来なくなった というお話・・・」
エノノカの話にチカパシは「こわい・・・」といっているが、杉元は「それホントに近所のひとだったらどうするんだよ」と言っている。
「ニヴフがなんでそんな変な話を残したのか疑問だが、この話に教訓があるとすればなんどろうね~? アシリパさん」
杉元の質問にアシリパは「悪いことをするやつは・・・ 自分を見られるのが怖い」と答えた。
アシリパが真面目に答えたと思えたが、次にアシリパが言った言葉は「杉元お尻出せ!」だった。
「え?」といいながらもお尻をだす杉元、アシリパは「シライシを驚かそう」と言うと杉元のお尻にスミで大きな目を描いた。
鯉登と谷垣はそんな二人を冷たい目で見守っていた。
そして白石が小便から戻ってくると、杉元は「戻ってきたッ」とすかさずお尻を部屋の入り口に向ける。
待ち構える杉元に対して白石もお尻にスミで目を描いていた。
「あ・・・・・ かぶった」
部屋にアシリパの声だけが響き、その光景を鯉登と谷垣に加えて月島も冷たい目で見守っていた。
登別温泉
登別温泉では菊田と二階堂が滝の湯に打たれていた。
「なぁ・・・ 二階堂たのむよ」
「教えろよ網走を脱走した囚人に彫られている刺青ってどんな文様なんだ?」
しかし二階堂は「見たこと無い」と答えた。
菊田はそれ以上はなにも言わなかったが、二階堂はこれまで幾度と刺青の争奪戦に参加しており、見たこと無い筈がなかった。
菊田は滝の湯を出ると有古と会っていた。
「有古・・・ その怪しい男を見たものが他にいないかお前の村で聞いて来い」
「宇佐美たちに遅れをとっちまってる ナメやがってアイツら・・・・」
「鶴見中尉殿とまたお供するには何か手土産が欲しいところだな」
一方で宇佐美と二階堂は宿泊している旅館にいた。
「あのふたり連れて網走に戻るの?」
「いや・・・ もう鶴見中尉は網走を離れる どこかで合流だ」
二階堂の質問に宇佐美が按摩をされながら答えている。
「あの占い女と人食いじじいはどうすんの?」
二階堂はさらに質問するが、宇佐美に「知ったこっちゃないでしょ」と返されてしまう。
「ちょっとドスドス突くのやめてもらえますか? じんわり揉んでください痛いです さっきから!!」
二階堂は按摩が下手なことに文句を言うが、按摩をしている男は都丹の仲間だった。
下手な按摩をした男は都丹に情報を流す。
「最近きたあのふたり鶴見中尉のそばにいたらしい」
「貴重な情報源だ」
都丹たちは第七師団の療養地である登別温泉で情報収集を行っており、第七師団の情報を土方へと流していた。
「有古と菊田という兵士が我々の正体にたどり着く前に消すべきだ」
しかし都丹は「次の新月まで待ったほうがいい たたでさえ冬は雪あかりで明るい」と答える。
「トニさんあんたがあの兵士に見られたんだ・・・ あんたの落ち度だ・・・」
これには都丹も「う~ん~~」と唸ってしまう。
一方で菊田は怪しい男が発見された山奥の温泉で待ち構えていた。
「さて今夜も下駄男は現れるかね」
山奥の温泉は地元のアイヌたちに「ベンケユ」と呼ばれていた。
有古も菊田の指示のとおりにアイヌの村で聞き込みをしている。
有古が村で日が暮れてから湯浴みにくる、変な模様の服をきた男について尋ねるとそれは服ではなく刺青なのだと聞かされる。
その答えに有古の顔から表情が消えた頃、菊田の方でも動きがあった。
菊田が下駄の音を聞きつけて向かった先には明かりをつけた都丹がいた。
「そこの男・・・!! ゆっくりと上着を脱いでみせろ」
菊田が拳銃を手に都丹に警告するが、都丹がとった行動は明かりを消すことだった。
明かりが消えて真っ暗となったことで都丹が動き出す。
都丹は得意とする真っ暗な環境で拳銃を抜くと菊田にむけて発砲するが菊田はこれを避ける。
しかも菊田は避けるだけではなく、都丹に向けて撃ち返していた。
これには都丹も驚いたのか「見えているのか? 暗闇に慣れないように明かりをつけていたというのに」と驚いている。
そこに都丹の仲間が二人現れたが、菊田は少しも動じない。
「てめぇら全員見えてるぜ」
そういって二丁拳銃を構える菊田の片目は光が無かった。
今回はここまで!
次回ゴールデンカムイ194話はどうなるのか?
登別温泉で暗躍していた都丹たちはついに菊田と衝突しました。
闇の中で自信があった都丹ですが、菊田に闇は関係ないようす。
菊田は鶴見中尉に対する手土産として都丹を狙っていたようですが、このまま都丹は皮を剥がされるのでしょうか?
登別温泉を契機に金塊に一番近いとされる鶴見の足元が揺らぐ展開もあるかもしれません!
次回も見逃せませんね!