彼女、お借りします【ネタバレ】70話
千鶴の誕生日から一夜明け 翌朝に
和也はベランダに出て かがんで千鶴のベランダを覗き込みます。
昨夜 自分が千鶴のベランダに置いたプレゼントの紙袋は・・・
「な・・・無い・・・!」
その時 千鶴のベランダの方から 窓を開ける音が。
思わず和也は立ち上がり その時カタンと音を立ててしまいました。
千鶴も和也がベランダにいるのに 気づいた様子。
「お おはよ」
フェアなお隣さん、フェアなお隣さん・・・と言い聞かせ 和也は声をかけます。
「おはよ」と千鶴。
和也はドキドキ。
でもそれ以上 千鶴からは何も話してきません。
『やっぱりダメだったか!? 美女にあんなジジくさいもんを
梅干しが嫌いって可能性もあるし
そもそも・・・迷惑で怒ってるとか・・・!?』
「昨日ありがとう」
「え?」
「誕生日」
「あっ いや 全然」と言いつつ
和也は『来た〜〜っ!!』と心の中で叫びます。
「水原 日頃いろいろ 頑張ってるだろうなーって
そしたらたまたま何!? 梅干しが疲労回復にいいとかって聞いてさ
まぁ梅干しが 誕プレってのはどうかなーとは 自分でも思いつつ!?
形あるもんて処理も困るし 消えて無くなるほうがいいかなーって」
「えっ 説明長くない?」
長々と自己弁護に次ぐ 自己弁護する和也。
「美味しかった」
「え?」
「美味しかった とっても」
千鶴は洗濯物を干しながら 声をかけます。
『水原〜〜〜〜っ!!!!!』
和也は全て報われた気がして 嬉しくなります。
「まぁ おじいちゃんかなって思ったけど」
「ヒィィィィィっ!!!」
「でも あれ 高かったんじゃない・・・?」
「いや 全然! たいしたことないって!」
と言いつつ本当は・・・
●あの日のお会計●
墨ちゃんレンタル 17000円
梅干し代 2500円
「それと・・・るかちゃんのことなんだけど・・・」
「・・・」
千鶴の頭の中に 昨夜の和也の手紙の文字がちらつきます。
「やめてよ 朝っぱらから・・・」
「でも・・・!!」
「・・・わかったわよ」
「信じてあげるわよ うるさいなぁ」
千鶴の言葉に 和也は嬉し泣きでガッツポーズ。
「じゃあ まぁ これでおあいコね
お返しとかは 期待しないでよ」
「も もちろん 全然いい!!全然!!」
本当はちょっと欲しい和也。
「じゃ」千鶴は会話を切り上げようとした時
「近々また レンタルしようかなーと思ってんだけど
ほら 改めて誕生日のお祝いも兼ねてっていうか
来週の水曜の夜とか・・・」
和也はなんとか 会話を続けようとします。
「あっごめん水曜はムリなの 大学の友達に飲みに誘われてて
他の日は?」
「あっ や・・・他はバイトがびっしり・・・」
「じゃあまた今度にしましょ
コストカットは節約からでしょ 経営学科さん」
「あっ ああ・・・」
「じゃね」
千鶴はベランダから部屋の中へ。
和也は安心したのと、ちょっとがっかりしたのと合わさって
「はぁ・・・っ」
息を大きくつきました。
場面は変わって和也の大学に。
「えっ なにそれ? とりあえずありがとう」
「感度なんて相性だろ 右手が運命の相手の場合もある」
和也の幼なじみで親友の 木部芳秋がなにやらレクチャー中。
『付き合いを考えよう・・・』
和也はゲンナリしていたところ
「んで? どうなんだよ 千鶴さんは」
木部がガッツリと和也の肩を掴んで言います。
「な なにが」
「いいのかって 聞いてんだよ」
もう一年だ・・・ヤってないなんて言えねー・・!
「ま まーな」
「かーーっ!! 幸せなヤローだっ!!」
和也は仕方なくウソを。
ごめん水原 また俺は君を穢してしまった・・・
千鶴に心の中で謝ります。
「そういえば今日 和也 飲み会出れる?」
木部は続けて
「なんか笹パイが最近仲良くなったグループがいるっつって
懇親会しようって」
「まぁいいけど・・・」
「よし決定 これで7人だな
栗林 笹パイに くそリア充連れてくって言っといて」
わかったと栗林は返事をします。
『本当なら今夜は水原と 宝石のようなひと時をー』
和也は泣きそうでしたが
「じゃ5時に 食堂で」
「ああ」
「へー『忍家』さん」
「あぁお値段もお手頃な上に 料理がどれも絶品なんだ」
笹パイの案内で、和也や木部たちが店に向かいます。
「あ 予約のササノです」
和也たちは店の中へ。
あちこちの席から 新歓シーズンの 賑やかな声が聞こえます。
「女の子もう揃ってるって」
「え!? 女子いるんスか!?」
何も聞かされていなかった和也はビックリ。
「うるせー黙っとけ」
「賑やかしだよ 賑やかし」
「ま 引き立て役っつーか?」
和也はいろいろ口々に言われつつ みんなの後についていきます。
『もう他のコなんて 考えられねー』
和也はつい千鶴のことを考えていました。
「あっ 笹パイこっちこっちー」
「おう 燿子ちゃん」
『燿子ちゃん』と呼ばれた女子を見て 和也は
「あれ? どっかで見たこと・・・」
燿子ちゃんは「サプラーイズ」と言って、部屋の中へ。
燿子ちゃんに続いて、笹パイ、木部、栗林と入っていきます。
「ちょっと男の人が来るなんて聞いてな・・・」
中から別の女子の声がしました。
和也は声のした方を見ると・・・・
「・・・え・・・・っ」
中には三つ編み、メガネ姿の地味な女子が。
・・・千鶴でした。
彼女、お借りします70話の感想!
とりあえず 千鶴への誕プレは成功?だったようですね。
まさか飲み会の席に千鶴がいるとは。
レンタルの時と違って、普段はあえて地味な格好をしている千鶴。
大学生している千鶴の出来事は 今まであまり描かれてなかったですね。
同級生として、お酒の席でどんなことになるのでしょう!?