草薙にとって鬼丸と出会うまでは相撲は楽しむためのものではなく、責務であり天命でありました。鬼丸が勝負を決めるために繰り出したのは、大太刀高校をインターハイの優勝へ導いた決まり手の「右下手投げの鬼車」でした。インターハイでは投げられた草薙ですが今回はその頃より強くなっているため右足で堪えます。次に鬼嵐を繰り出します。鬼車が復活したと言うことはその派生技も復活し次の手が全く読めなくなっていたのです。相手を仕留めるまで止まらない技の無限地獄が続きます。鬼丸のみではいけなかった道で編み出した技「百千夜叉墜」で草薙を下します。しかしこの日冴ノ山が2敗目を喫してしまいます。7日目に鬼丸は御手杵とぶつかることが発表されました。
火ノ丸相撲【ネタバレ】225話「童子切りと大包平」
鬼丸と草薙の戦いを終えてから一夜、かつて鳥取白楼高校を支えた二本の柱であった天王寺と加納。圧倒的実力とカリスマ性を兼ね備えた天王寺が光であったために加納は常に影であり続けました。七日目の朝に刃皇は自分の引退宣言が鬼丸の勝利によって霞んだことを不満に表していました。刃皇は今後全勝力士は日が経つにつれて減っていき終盤には自分一人になることをいつものことだと言っています。そしてその記事を読み終えた後に全力で稽古に挑む大包平に程々にするように促します。しかし大包平は刃皇を睨み付け罵倒します。その稽古に付き合っていた者の中に元栄華大附属高校の四方田がいました。四方田は相撲が好きではなく気味が悪いのに強い加納のことが嫌いで心の中では負けてほしいと思っていました。去年の三月場所に全日本相撲選手権を制した「三日月」と大学生の頂点であった学生横綱「大包平」でした。刃皇と同じ朝陽川部屋で刃皇の次に高い番付でスタートしました。童子切は刃皇と同じ部屋に入った加納に対しどこへ行っても二番手であると煽ります。横綱を恐れないのは高校時代に童子切にびびっていた自分を変えるためでした。いつかは彼に追いつけると思っていましたが、努力、情熱、意識の差で全てを失っていました。そんな彼を超えて本場所で向き合い、失ったものを取り戻すために朝陽川部屋を選んだのです。四方田はそんな加納の心境を知り本当は彼が相撲を好きで真剣に取り組んでいることを知りました。その思いを聞いて大包平に勝ってほしいと初めて思えたのです。しかしその言葉は童子切に勝って初めて口にできる言葉であり、今は口にできない言葉でした。
そして本場所、どちらも全勝であり因縁の対決だけではなく今後の優勝争いを左右する重要な一番となりました。童子切はその取り組みを見ている刃皇の機嫌が悪いことに気づき、気を引き締めて取り組むことを決めました。なぜなら稽古で大包平は尽追うに勝利をしていたからです。デビューしたときに煽られた言葉に今はなることを決心して取り組みに臨みます。童子切も刃皇も超えて頂点に立つために加納は全てを賭けて誓うのでした。
火ノ丸相撲225話の感想!
鬼丸と草薙の因縁の対決が終了しましたが、今度は加納と天王寺の因縁の一戦が開幕します。刃皇の言う通りこの対決後にどちらか一人が優勝争いから一歩後退することになります。かつての仲間であった二人が敵として対峙するため、その頃に抱えていた思いをこの勝負にぶつけ合います。童子切に煽られ消された相撲への思いを勝って取り戻すことができるのでしょうか?鬼丸は全てを賭けて一番一番へ臨んでいましたが、勝利をしても周りからは真の勝利ではないと言われてしまい負けたときには自分を責めていました。大包平の勝負に対する思いもその相撲に似ている部分があります。童子切に敗れた場合に今まで賭けてきた者の全てが崩れてしまうような危険も伴っています。どちらが勝利をしても互いに実力を認め合って相撲への思いを確かめることができる一番になってほしいと願っています!