泰平と欽太郎が鴨川ジムでプロボクサーを目指すことになり、一歩は2人の指導をするよう鴨川会長から命じられた。
一歩は2人と共にロードワークに出かけ、河原の木が見えたところで足を止めた。
物思いにふける一歩だったが、その時木の下から宮田一郎が現れた。
はじめの一歩【ネタバレ】1250話
宮田は3人の姿を見ると、寺の修行か?と真面目な顔で一歩に問いかける。
一歩は寺ではないが修行だと宮田に答えた。宮田を知らない泰平と欽太郎は、一歩に対する宮田の態度に腹を立てる。
土手の上から様子を見ていた板垣が止めに入った。
板垣は泰平と欽太郎を引き離し、宮田と一歩を2人きりにした。
宮田は一歩に何故トレーニングしているのかと質問した。
一歩は2人の練習に付き合っているだけと答えた。宮田は腑に落ちない顔をした。
一歩は先日行われた宮田の試合のことを話出す。
宮田としては結果は勝利したものの、納得していない様子だ。
一歩は宮田のコンディションを気にしていた。
一歩にとって宮田は憧れの存在であり、宮田にとって一歩は良きライバルであった。
宮田はいつか一歩と試合することを夢見てフェザー級で戦っているのだ。
しかし、宮田の体は大きく成長していた。
試合前には死にものぐるいの減量をしていた宮田だった。
そんな姿に一歩は宮田に自分の体に合った階級で試合をするように薦めるのであった。
宮田も気づいていた。
宮田はスピードに乗ったフットワークのよいボクシングスタイルだった。
しかし、いつしか自分のボクシングスタイルと違う戦い方をするようになっていたのだ。
「フェザー級」
いつからか宮田の羽がボロボロになり、飛べなくなっていたのだった。
宮田は改めて質問した。
一歩のパンチドランカーは誰が決めたのか?一歩は本当にボクサーを辞めたのか?
宮田はそれを確認しにきたのだった。
河原に引かれた一本の線。
以前、鷹村が引いたものだ。鷹村はその線の先が人外の領域であると例えた。
一歩はボクサーを辞めたことを伝えた。
それを聞いた宮田は一歩に背を向けて去っていった。人外であるその先に。