キングダム【ネタバレ】第569話
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【 犬戎族・追撃隊 】
ピヨ~~~~~~~~~~~~ンッ
バジオウは楊端和を抱えた状態でサハ渓谷を大ジャンプ!
ギリギリ対岸までというわけでもなく、余裕で対岸に着地成功。
楊端和たちを追っていた犬戎族の兵士らは驚きます。
「なっ 何ィィッ 対岸にっ とっ届いただと!?」
しかしあんなところに落下して二人とも無事なわけがない、ふつうに考えて死ぬぞ、そんなことを話しながら犬戎兵たちが着地地点を見ながらザワつきます。
犬戎探索隊のガン族が着地地点近辺に人の動いている気配を感じます。
「化物かあの二人・・・」
ガン族と犬戎兵らは楊端和とバジオウの生存を確認。
追撃を再開します。
「追うぞ すぐ東に橋がかかっている 笛はもう鳴らすな」
【 楊端和とバジオウ 】
二人の着地場所。
一部の木々の枝が折れている。
地面には森の奥へと続く血痕が・・
血痕の先には楊端和とバジオウが並んで横たわっていた。
もう一歩も動けないほどの状態なのだ。
楊端和がバジオウに話しかけます。
「敵に追い詰められて二人きりになるのは久しぶりだな・・」
やや間を置いてバジオウは答えます。
「ドン族との戦いの時以来かと・・」
楊端和とバジオウは過去にもあった二人きりにまで追い詰められた戦いを回想します。
どの部族も強く、梟鳴族やメラ族も強かった等。
楊端和がバジオウに言います。
「だが今まで戦った中で、一人の戦士として一番手強いと感じたのは・・」
「バジオウ、お前だった」
バジオウがその言葉に答えます。
「あれは私ではありません・・」
まだ幼さが残る頃に二人はリタ山で敵として出会い、刃を交えていました。
楊端和がバジオウの言った言葉の意味を理解します。
「そうか・・そうかもな、あれは人ではなかったからな」
あの時のバジオウはまるで獣であったと・・
【 楊端和とバジオウ vs 犬戎追撃軍 】
思い出話をしてる最中、楊端和とバジオウは敵の気配を感じます。
満身創痍、フラつく体を剣で支えながら立ち上がろうとする二人。
楊端和は崖を飛び降りる前にバジオウが言った言葉の意味を問います。
「昔・・何か誓ったと・・お前に何か誓われた覚えはないが」
楊端和とバジオウの周りには追撃してきた犬戎族がズラリ。
二人は背中合わせで犬戎族と対峙します。
バジオウは楊端和に言います。
「自分の中で誓ったこと・・もし知りたいのなら今度ゆっくり教えます」
もうメロドラマか70年代の恋愛劇画かってノリです。
背中越しに楊端和はバジオウに答えます。
「さして興味はないが 今度聞いてやる」
なんかもう読んでいてこっちが照れます。
原先生は時代劇とか相当好きなんじゃないでしょうか。
【 追撃隊を追う犬戎王ロゾと舜水樹ら趙軍 】
ロゾに報告が入ります。
「今頃 山の王を捕らえているかと」
舜水樹が自ら率いている軍の歩調に合わせることなく、騎兵を楊端和とバジオウのいる場所に送りまくれと指示をします。
「手負いの二人と思ってるとまた逃げられるぞ」
【 楊端和とバジオウ vs 犬戎族追撃隊 】
楊端和もバジオウも息をしているだけでも奇跡の状態で犬戎族と交戦していました。
バッサバッサと斬り殺されていく犬戎兵たち。
個の武力では楊端和とバジオウには遠く及びません。
しかし、周囲の小・中隊までこの場所に集め、圧倒的な数をもって同時に責め続けていれば、楊端和とバジオウがいくら化物でもいつか隙が生まれ、我々が勝つと犬戎族は考えていました。
ガン族の男が吼えます。
「バジオウは細切れにする!楊端和はそれ以上の屈辱と苦痛をロゾ王に与えてもらって殺すのだ!」
あくまでロゾ王の命令が第一な犬戎族です。趙軍からしたら殺せる時に殺しといてくれという感じでしょう。
バジオウに敵の刃が届きはじめます。
致命傷とまではいかないまでも、何箇所も裂傷を負い、ついに仮面の上から顔面を斬られてしまいます。
仮面の下から吹き出る血しぶき!
ブシュッ
それに気付いた楊端和。
「バジオウ!」
バジオウに気を取られ、一瞬、敵から目を離してしまった楊端和を犬戎兵は見逃しません。
バキ!
普段なら目を離していたとしても軽く避けていたでしょう・・
犬戎兵の渾身の右ストレートが楊端和の顔面にヒット!
楊端和は倒れながらも剣を揮って一太刀返しますがそこまで。
ドン!
斬られた犬戎兵の膝蹴りを喰らってついに意識を失い倒れてしまいます。
犬戎兵の肩に担がれ運ばれていく楊端和・・
その光景を犬戎兵に頭を膝で押さえつけられ、身動きの取れなくなったバジオウが見ていました。
「ま・・守らねば・・」
【 楊端和vsバジオウ リタ山の戦い 】
時は少し遡ります。
バジオウが山の民の”はらわた”をガツガツ食べています。
そこへ楊端和が現れ二人は戦闘になります。
バジオウの一手で楊端和の仮面が真っ二つにされます。
しかしその直後に楊端和の二刀が同時にバジオウの両肩口を突き刺し、バジオウは剣を落とし戦闘不可能な状態にされてしまいます。
この時、バジオウは生まれて初めて”恐怖”を感じました。
楊端和が倒れたバジオウの眼前に立ち、剣を突きつけて告げます。
「お前がこのまま獣でいる気なら、今この場でお前を殺す」
「だが・・」
楊端和が突きつけていた剣を離し、膝を付いてバジオウの肩に手をかけ話を続けます。
「人に戻るのなら 今からお前を私の家族に迎え入れる」
バジオウはその時 言葉は分からなかったがそれでも十分に、十分に意味は伝わっていた。
涙を流しながら楊端和にすがりつくバジオウ・・
抱きしめ受け止める楊端和・・
【 バジオウの誓い 】
時は戻り、犬戎族に囲まれているバジオウ。
ドギャッ!
どこにそんな力が残っていたのか、犬戎兵10人を一度に切り倒すバジオウ!
瀕死であったはずのバジオウの反撃に動揺する犬戎兵たち。
バジオウは楊端和と出会ったあの時、胸に誓ったのだ・・
「いかなる刃からも この人を 命にかえても 守り抜く」 と!
ドパッ!
飛び散る犬戎兵の首、首、首!
復活したバジオウの気配を楊端和は犬戎兵の肩の上で感じ取っていました・・。
【 山の民 カジン族 】
空も少し明るくなりはじめ、日の出が近いことが窺えます。
カジン族の兵が族長に山の王の元へ急ぎましょうと進言しますが、族長は兵士たちに言います・・
「楊端和に告げられた再結集の地は・・ 犬戎の城 だ」
【 リョウ楊城(犬戎の城) 】
崖の真下で、ブツブツとエンポ爺がつぶやいています。
「マンタンワめ・・あ奴は自分が何より最上のエサになることを自覚しておる」
崖に手をかけるエンポ爺
「山界一ズル賢い女じゃ」
崖に足もかけるエンポ爺
「人使いの荒さも山界一よ・・・マンタンワめ・・」
崖を平地にいる時より速いスピードで駆け登るエンポ爺
「中は無人じゃないぞ全く・・」
山の民の猿手族がエンポ爺より先に崖を登り始めていた。
そんな中を族長エンポ爺は誰よりも速く崖を駆け上がっていく・・
「あとでマンタンワにいっぱいほめてもらうため、猿手族の力を見せてやるかのォ」
キングダム 第569話 END
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キングダム第570話考察
〈 日の出まで 〉
先々週、先週と、二度に渡って考察をしましたが、
猿手族が”壁を走る者”と異名をとる集団とは思いませんでした。攻城戦では活躍していたんでしょうね、きっと・・
再結集の地が犬戎の城であることがこれで分かったので、残すは”日の出まで”の意味ですね。
エンポ爺が「大軍は出たといっても城内は無人ではないぞ」とブツブツ言っていましたので、ある程度の戦闘を想定しているようには見えます。
ですが、残ってる兵と全面的に交戦するといったニュアンスには見えませんでした。
やはり何かあります。
こっそり城門だけ開けておくのか・・
見張りの犬戎兵に保護を約束して、家族もろとも懐柔させるのか、或いは先に家族に保護を約束し、見張りの犬戎兵たちを懐柔させるのか・・
先週、考察にも書き加えましたが、
ここまで、しつこいくらいロゾ一族の非情さと、楊端和のルフィ的なノーサイド感を比較して描いておりますので、やはりどうしても犬戎族の一部は山の民グループに新加入って展開を期待してしまうのです。
その場で懐柔は無理やり感が否めませんので、
家族らを拘束したまま、来た崖を下り、家族を説得。
ロゾら犬戎軍がやって来たら、家族が投降を呼びかけ。
或いは家族を盾に投降を強制。
いずれにせよ、
「楊端和様ハ イツモ 敵ヲ真正面カラ ネジ伏セル」
それが楊端和の戦いのセオリーである以上、舜水樹、ロゾといった敵と知略合戦だけで終るとは考えられません。
どうしても戦力の補充が要ります。
これも先週考察に書き加えたことですが、
フィゴ王の言っていた言葉がやはり暗示であったのではないでしょうか。
「あれほど死闘を繰り返してきた貴様らとこうして肩を並べる時がくるとはなぁ・・分からぬものだな」
〈 フィゴ王の行方 〉
現在フリーで行方の分からないフィゴ王は好きな場所に現れることが出来ます。
楊端和とバジオウの元に現れ救出も出来そうですが、それではせっかくのバジオウと楊端和のストーリーが台無しですから、ここではないと願いたい。
同じ様にメラ族の仇討ちストーリーを台無しにするわけもないので、ここでもない。
では何処に?
残っているのは犬戎の城か、ロゾたち追撃趙軍のところ。
フィゴ王の軍は戦力が半数以下まで減らされているので、やはり犬戎の城で待ち伏せ、或いは猿手族の援護でしょうか・・
〈 楊端和とバジオウの出会い 〉
今回の二人の出会い話は、思うに犬戎族とダブらせて描かれているのではないでしょうか。
楊端和は獣であるバジオウにこう言いました。
「人に戻るなら 今からお前を私の家族に迎え入れる」
これは、まんま犬戎族に当てはまりませんか?
〈 ヒーロー漫画でしたっけ? 〉
569話を読んでいて
楊端和であろうと、状況次第では無名の兵らに実質討たれることだってあるのだ、ということを見せてもらえたのは良かったと思います。
武将だけ華々しく散っていくなんて無いでしょう・・
無残で惨めであっさり死んでいくのは小物将ばかりってのもエンターテイメントとはいえ不公平すぎますよ。
個の力には限界があり、最終的に数が勝敗を決めるような大きな戦いがアジアで始まった次期でもありますので、天才やら伝説やらをやたら突っ込ませすぎないほうが良いと思うんですよね・・無理か。
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