アリスと太陽11話ネタバレ
──1つの音楽が人生を変えることもある──
幼き日の太陽。自分の祖父が昔使っていた携帯電話をいじっている。
本人曰く「初めてハマったおもちゃは古い携帯電話の着信メロディを作る機能」だ、そうです。
太陽「聞いて聞いて!また着メロ作った!」
嬉しそうに母の元に、携帯片手に駆け寄る、太陽。
母「太陽はずっとそれで遊んでるのね。そうだ、近所の子が捨てるって言ってたアレ、貰ってくる?」
母の言うアレとは、キーボードのことである。貰ってきたキーボードに夢中になる太陽。
音で遊ぶことに熱中し、中学生になる頃には曲のようなものも作れるようになり、ネットで公開してみる。
が・・・・中学校の同級生のチャットルームで、ボロボロに言われた太陽。これがトラウマで人目が怖くなった模様。〓■●バタッ
人に曲を聞かせることができなくなってしまったが、音を作ることだけはやめないし、やめられないでいた太陽。たとえ独りでも・・・
アリスからの着信。
アリス「昨日のヤングシングキングのオンエア見たか!?」
太陽「心の準備がまだで・・・」
アリス「お前の心はいつも準備中だなあ。それがさ、妙なんだよ。私ばっか映ってて──」
太陽「え?あっごめん!学校ついた。」
アリス「OK。私用事があって今日休むから、詳しくは放課後!部室でな。」
元気そうなアリスに何故休むのか、ほんの少し疑問の太陽。
「ヤングシングキング見た!?」昨日のテレビの話題で持ちきり状態の太陽のクラス。ただ、話題に上がっているのはアリスのこと。
「てか時々映ってたキーボード、あの子に似てなかった?ほら・・・いっつもヘッドホンしてる・・涼木?」
太陽「えっ」 クラスメイトの視線が太陽に集まっている。
「いやもっとキリッとしてなかった?」「別人だろ多分。」「チラッとしか映らなかったし微妙だなー」
・・・太陽の名前を知らないクラスメイトたちでした。(´゚艸゚)∴ブッ
放課後──
テレビの映像にあまり映ってなかったようだったのをホッとしている太陽。ただ、クラスメイトの妙な距離感が気になったようです。
それも、目立つよりはいいやと思っている太陽でした。
部室の扉を開けると、顧問の坂東の後ろにピッタリと張り付いている、百ヶ瀬の姿。
太陽「ってか、いつの間に坂東先生になついて・・・」
百ヶ瀬「ちゃうねん!ここしか隠れるとこなかってん!」
太陽「隠れる・・・?」
部室の奥のいすに座り、なにやらキーチェーンの「テトリス」のようなものをやっている人物が。太陽が入ってきたのに気付き、立ち上がる。
左鳩「やあ!君だね、涼木太陽くん!」
太陽「そう・・ですけど。あの・・・誰──」
左鳩「演奏してる時とずいぶん雰囲気違いますねー」
べたべたと太陽にさわりまくる左鳩。
左鳩「ああ!自己紹介忘れてました。」
名刺を太陽に差し出す。
太陽「カエサルミュージックの・・・プロデューサー?」
左鳩「左鳩です。」ニコッとする左鳩。
太陽「カエサルミュージックってあの・・・?」
坂東「日本3大レコード会社の1つ。インディーズレーベルも擁し、新人発掘に熱心な会社です。」
いまだに、坂東の後ろで怯えている百ヶ瀬。
百ヶ瀬「カエサルのプロデューサーなんて私も会ったことない・・・・業界でもほんまのほんまもんやん・・・なんでここに?
消される・・・失礼があったら業界から消される。」
カタカタと震えながら、半べそ状態の百ヶ瀬。
太陽「あの・・・それで僕に何か・・・?」
左鳩「単刀直入に言ってスカウトです。カエサル(うち)と契約しませんか?」
驚く太陽。完全に動揺して、関係ないことを口走ったりしてます。
太陽「とにかく篠原さんを待たないと──」
左鳩「いや、うちが欲しいのは君だけですよ、涼木くん。」
左鳩の言葉に三人はまた驚く。
太陽「アリスと太陽じゃなくて・・・?」
左鳩「そうそう!何て方でしたっけ、君のパートナー。」
太陽「篠原さんです。」
左鳩「スノハラさん!彼女も確かに素晴らしい。うん、アレは良いシンガーになる。ですが、上手くて可愛い子なら山ほどいる。
彼女の歌は消費される類のものです。」
太陽「消費・・・?」
左鳩「音楽にはその時々のムーブメントとして、一時的に消費されるものと、残るもの、後々まで愛される本物があります。
涼木くんの曲は独創的なのに、独りよがりになっていない、芸術的かつ、キャッチー。君は本物を作る作家になる可能性がある。
うちが・・・僕が育てればね。」
これらの話を太陽は冗談だろうと思っているようで、話についていけてないよう。
左鳩「ただし、そのためにはより純度の高い努力と、環境が必要。君の才能を真に開花させるために彼女は必要ないのでは?」
太陽「篠原さんがいらない!?そんなワケ──」
左鳩「時として環境は、才能そのものよりも重要なんです。二人コツコツそれなりの道を行くか、こちらを選び、より大きなものに挑むか。
涼木くんはより良いものを作りたくて音楽をしているのでしょう?お・・!彼女にも意見を聞いてみましょう。スノハラさんはどう思いますか?」
開け放たれた扉の前にはアリスの姿。無言でその場を走り去ってしまいます。
左鳩「それ睨んでます?エンドウ先生(坂東のこと)も指導者なら分かるでしょう?進化のためには選択が必要だと。」
坂東「一理はありますがね。ただ私はあの二人が組んだこと・・・運命を面白がってますので。」
アリスを追いかけてきた太陽。
太陽「ちょっ・・・篠原さん待って。あんなのきっと何かの間違いで──」
若干顔を赤らめ、ニコっと、太陽の方に振り向くアリス。
アリス「心配したか?・・・良かったじゃん。」
太陽「え?」
アリス「な!言った通りだろ、タイヨーの音楽はすげーんだよ。私も鼻高々だ!カエサルだぜ!
私の役目もここまでかな~意外というか、すげえ早かったな。」
太陽「何それ・・・?グラミー獲るんでしょ?それが篠原さんの昔からの──」
アリス「違うよ。グラミー・・・私の夢が生まれたのは君と会ったあの日なんだから。」
アリスと太陽12話考察
TVにでて、例え少ししか映ってなかったとしても本人だと気付かれない太陽・・・どんだけ影が薄いんでしょうか〓■●バタッ
また本人も「良かった」っていってるんだから・・・・まあ過去にあったことを考えたら、人の目が気になるのもうなずけますが・・・
そして唐突にやってきた、カエサルの左鳩。どうもこの人、人の名前覚えるのが苦手??ただ、太陽の名はちゃんと覚えていたので、
興味のあるなしで、覚えられたり、覚えなかったりなんでしょうね・・・
左鳩の言う、「時として環境は、才能そのものよりも重要なんです。」これもよくわかることですが・・・太陽はどういった選択をしていくのか・・・
個人的には、太陽はアリスと組んでこそだと思ってるので、おそらくは断るんじゃないかと。
次号以降の展開次第ですね・・・・