「約束のネバーランド」において、エマ達を陰から見守り、いろんな形で支援をして、彼女たちを自由へと導く手助けをしてくれるのが〝ミネルヴァさん〟である。
ミネルヴァさんの導きで訪れた〝ゴールディ・ポンド〟。
そこでエマ達は、彼が既に亡くなっていた事、ここの道は塞がれており、ここから人間界へは行くことが出来ない事実などを知らされる。
そして、残された「伝言メッセージ」で、エマ達が育てられた各農園に〝人間界へ行き来する道〟が存在することが明かされるのであった。
今回は、この〝人間界へ行き来する道〟が、孤児院(農園)のどこに隠されているのかを徹底的に考察していこうと思う。
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[〝道〟の手がかりを探せ!]
〝人間界へ行き来する道〟が初めて表に現れたのは————
エマとルーカスが〝ゴールディ・ポンド〟(秘密の狩場)の地下空間の浮遊小屋で初めてミネルヴァさんにコンタクトを取った時である
「ここ以外にも人間の世界へ行き来する〝道〟は複数ある。『GF(グレイス=フィールド)農園』を含む4つの高級農園の中にある〝道〟は、こことは違ってまず塞がれることはない。」
——という伝言をエマは受け取るのである。
第72話(単行本9巻)より
エマがその場所で見つけた「メモリチップ」を〝ミネルヴァさんのペン〟にセットすると、夥しい量の情報が電子の波となって空中に映し出される。
その中には、「人間界への行き来の道」について、「GPの設計図」、「支援者との連絡の取り方」などがしっかりと記されていた。
第73話(単行本9巻)より
この事は、後に全員でシェルターへと避難してからのミーティングンの際に、ペンの情報をみんなで改めて確認したとき、改めて「農園の地図」や「道の出入り口」の情報が細かく記されている事が繰り返して描かれている。
第97話より
あと、気になるところでは、第10話「コントロール」(単行本2巻)の扉絵には、エマやレイが幼い子供たちの手を引き、孤児院の中の石でできている長い螺旋階段をランタン片手に、遥か下へと降りている場面が描かれている。
これも〝人間界への道〟を暗示しているといえるのではないだろうか。
[〝道〟への道]
ここで、「孤児院(農園)」の中の〝人間界へと通じる道〟の材料となる要素を考察しよう。
その要素は大きく分けて3つである。
① 4つの農園の中に必ず存在するということ。
② それは、誰にでも渡れるモノであるということ。
③ その〝道〟は塞がれることがないということ。
この3つの条件が満たされる場所に必ず〝秘密の抜け道〟が存在するのである。
一見、この3つを当て嵌めればいいだけで簡単じゃん! と思われがちだが……
実は非常に困難を極める考察なのである。
まずエマ達がGF(グレイス=フィールド)から脱出する際に、彼女たちは事細かく建物内を探索し、長い事図面と〝にらめっこ〟をしているのだが————
彼女たちは「ママの秘密の通信部屋」以外は何も発見する事が出来なかったのである!
そして「誰にでも渡れる」、「塞がれることがない」という条件の真の意味とは?
考えれば考えるほど謎は深まっていくばかりである。
これはもっと深く、細かく、注意深く観察し思考しなければ解けない難問だ。
気合を入れて、じっくり腰を据える覚悟で挑もうと思う。
[考察:〝道〟の正体]
それでは①から考えを進めていこう。
それは農園の中に必ず存在するということ。これは何を意味するのか?
中というと、農園の正面にある「大きな〝門〟を兼ね備えた建物」や、
敷地内にある「森の中のどこか」なのかも?と範囲が広がってしまうのであるが、
冷静に分析すると、この2つはすぐにでも除外することができる。
なぜなら「〝門〟」は外界との境に接しているため厳密には「中」とはいえず、しかも普段は一切誰も近づくことが出来ず、現実的に考えても利便性が非常に悪いためである。
そして敷地内の「森のどこか」では、さらに現実味が乏しく、いつもくまなく子供たちが走り回って遊んでいる、いわば「自分たちの庭」的な場所なので、ノーマンやレイ、エマが何かの異変や違和感に気付かないわけがないからだ。
ということで〝人間界への道〟があるのは〝孤児院の中〟であると推察できるのである。
では②の項目に移ろう。
誰にでも渡れるモノであるということ。これは老若男女、体の大きい小さいを問わず
無条件で行き来が出来ることを意味している。
ここで思い出してもらいたいのが、〝ゴールディ・ポンド〟の人間界への抜け道の事だ。
それは、一気に10人近くは入れそうな大きな昇降機(エレヴェーター)の形をしていたではないか!
とすると、農園内の〝人間界への道〟も、それと同じエレヴェーターの形をしているとみるのが自然な思考の帰結であろう。確かにこの形であれば誰もが入るだけで———
「渡ることが可能」なのだと納得できる。
では最後の項目について考えていこう。
④ の、その道は塞がれることがないということ。
言葉を裏返して言うと、常にその場に存在し、「オープン」になっているが故に、却って誰にも気付かれる事が無く、結果的に「感づかれて塞がれる心配はない」
ということであろう。
孤児院の中でそんな場所を絞り込むと————
① 「開かずの間」といわれる〝物置部屋〟
② 異常に巨大な〝図書館〟
③ ママだけが使用している〝秘密の地下室〟
———この3つが挙げられる。
このうち③の〝地下室〟は、使い勝手の悪さや、ママがいつも使用している事、普段は塞がれている事などから、すぐに除外することが出来る。
①の〝物置部屋〟は、開かずの間とも呼ばれ、ママもめったに近寄らず、人が入ることもなく、目立たず、空間の広さもある程度はあることが判明している。
が、ここは一目で部屋の全景を見渡せ、ノーマン達が「異常」が無い事を確認しており、おまけにいつも半閉鎖状態で〝秘密の道〟があるとは到底考えられない。
————とすると、残るのは必然的に③の〝図書館〟ということになる。
この〝図書館〟は、部屋全体がかなり広く、天井も高く作られ、本棚が複雑に入り組んでいて、一目では空間が把握しきれない場所となっている。
しかも〝図書館〟であるが故にいつも解放されていて塞がれる事は決してない。
この事からも塞がれることが無い場所とは〝図書館〟だと断定してもいいであろう!
よし、これらの考察をまとめて推理を推し進めていこう!
〝人間界への行き来する道〟は孤児院内にあり、出入り口はエレヴェーターのような箱型で、誰もが渡ることが可能である。
そして常にオープンで、目の前に開かれていて決して塞がれることはない。
————そう、〝人間界への行き来する道〟は図書館の中にあったのだ‼
[おわりに]
エマ達はGF農園に帰還し、全員を連れて〝図書館〟へと向かう。
その本棚の一つを「ペン」を使って操作すると、地下へと続く〝秘密の通路〟が現れ、その中へと入り、下へと続く階段を奥深くへと降りていく———。
そこでエマ達を待っていたのは、大きな空間の大広間と、中央にしつらえられた大きなエレヴェーターであった。
その扉からは〝支援者達〟が出てきて、子供たちをエレヴェーターの中へと導いていく。
みんなは喜々としてそれに乗り込んでいく———。
エマ達は、これで晴れて念願であった〝人間の世界〟へと歩を進めるのであった‼
—————なんて展開になれば最高‼
と、楽しい妄想しながら今回の考察を締め括ろうと思う。
「エマ達が一刻も早く人間界へ辿り着けますように‼」 それを心から祈るばかりだ‼
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