彼女、お借りします【ネタバレ】77話
家族
「え？ 千鶴さんのことを知ってる人？ まぁウチらと・・・あと和也の家族とか・・・」
和也のバイト先のカラオケ店に行く前に マミちゃんは木部と話していました。
『家族・・・？ 家族も知ってるんだ・・・そういえば おばあちゃんに会ってほしいとか
一回言われたっけ・・・』
マミちゃんは 以前和也と付き合っていた時のことを 思い出しました。
『なら家族に話して 止むに止まれず 一年間も。だったら”今もまだ”ってことだって・・・』
マミちゃんの頭の中には 以前和也の部屋で見たカバンが思い浮かびました。
「あ それか バイト先にもいるかもな」
「和くんバイトしてたんだ」
「年始から 練馬のカラ村で」
『練馬のカラ村って・・・』
マミちゃんは 千鶴と一緒に行ったカラオケ店と 一緒だと気づきます。
「ありがと じゃまたね」
「え？あっ・・・」
マミちゃんはそう言って 立ち去ってしまいました。
その様子に
「・・・なんか俺 マズイこと言ったか？・・・まいっか 和也のことだしな」
なんか変だと思いつつも 木部はすぐ気にしなくなりました。
会っていません
「ま マミさん・・・」
偶然マミちゃんの乗る車両に 千鶴が乗り合わせてきました。
「えっと・・・ご無沙汰してます・・・」
マミちゃんとの久しぶりの再会に びっくりした様子の千鶴。
マミちゃんはニコッと笑って
「どうぞ」
自分の隣のシートをポンと触りました。
「・・・・」
断る理由はないので 千鶴は黙って マミちゃんの隣に座りました。
「私はちょっと用事があって練馬に 千鶴さんは？ 家この辺？」
「あ いえ 私も用事で・・・」
「行き先は？」
「池袋まで」
「えっ同じじゃん ゆっくり行こっかー」
「・・・・・」
千鶴は家のことを聞かれても 本当のことは答えずにいました。
「それ 素敵なバッグね CoCoの春の新作でしょ？ 最近買ったの？」
やっぱりマミちゃんは 千鶴にカバンのことを尋ねます。
「あっいえ 少し前から・・・」
「そーだよね 可愛いものはすぐ買わないと どんどん新しいの出るもんね
どれくらい？ 4月上旬？下旬？」
千鶴はマミちゃんの質問に「？」と思いつつ
「上旬ですかね・・・」
「そっかー ふふっ」
「？」
「ごめん なんかちょっと 可笑しくてっ」
「・・・・」
千鶴はマミちゃんが笑っているのを見て どうしていいかわからず黙ったままでした。
池袋に到着。
「私JR 千鶴さんは？」
「私は外へ」
「そっか じゃあここで また会うかどうかわかんないか」
「そう・・・ですね」
「じゃ」
「・・・・」
マミちゃんと別れた千鶴は そのままマミちゃんの後ろ姿を見送っていました。
「ひとつだけ聞かせて」
千鶴が立ち去ろうとした時 マミちゃんが急に声をかけてきました。
「もう和くんとは 会ってない？」
「・・・・」
千鶴は マミちゃんと以前カラオケ店での会話を 思い出しました。
『でも一個だけ もう”恋人ごっこ”はやめて ちょっとだけうんざり』
マミちゃんはそう言っていたことを。
そして千鶴が以前
『こうしてる間にもマミさんに見られたら 彼女が何を思うか・・・』
和也に話したことも思い出しながら。
「はい」
千鶴ははっきりと マミちゃんの顔を見て答えました。
「そう わかった じゃねっ」
マミちゃんはこれで立ち去りました。
『偶然・・・偶然よね・・・』
千鶴はそう言い聞かせて 自分も歩き出しました。
次の手は
自宅に着いたマミちゃん。自分のノートPCの前にいます。
『決まりだ 間違いない あのカバン 水原千鶴の・・・』
さっきの千鶴との会話で マミちゃんは確信します。
『買った時期も合う 忘れ物？ でもカバンを忘れる？ あの日 あの場所にいた？
どちらにせよ ”レンカノ”の距離じゃない』
マミちゃんは続いて考えます。
『じゃあ あのガキは何？ 水原のことも知ってるみたいだし 二股？何なの？』
マミちゃんは目の前のノートPCを操作して
『木ノ下のフォロー欄に きっと・・・』
るかちゃんの名前が 和也のフォロー欄にあるのを見つけました。
『くっそ 鍵かかってる・・・』
でも、るかちゃんの詳細はロックがかかっているので 分かりません。
マミちゃんは一覧の中に ”和酒店”の名前を見つけて 目に留めます。
「二代目当主 木ノ下和じゃ 孫の彼女にちょっとお熱」などとあります。
どうやらそれは 和也の祖母のようでした。
『家族か・・・』
ふふっとマミちゃんは不敵に笑って ”フォロー”の文字をクリックしました。
彼女、お借りします77話の感想！
これでマミちゃんは 真相にたどり着きそうですね。
しかし彼女は 本当に何をしたいんでしょう？ クセのある子ですよねー。
和也のおばあちゃんが巻き込まれたら レンカノの事もバレるってことでしょうか？
いやぁマミちゃんは怖い子ですねー。
今回の件は一旦終了で 次回からは別のストーリーになると思います。お楽しみに！