前回のあらすじ
キロランケの埋葬を終えた、アシリパと杉元は北海道へ帰るべく歩みを進めた。
一方で、一連の騒動の最中に姿を消したソフィアも杉元達が立ち去った後にキロランケに別れを告げる。
網走監獄より始まった長い旅が終わりを迎え、物語の舞台が再び北海道に戻るころ、北海道の登別温泉で新たなキャラが登場する。
登別温泉は北海道で最大級の温泉であり、傷病によく効いたので第7師団の療養地に指定されていた。
そんな第7師団が療養する温泉で現れたのは「菊田特務曹長」
菊田は兵士が療養しない、山奥の温泉で真っ暗の中、下駄で逃げる男にあった話をする。
その話を聞いた宇佐美と二階堂はまるで信じていなかった。
新たに登場した人物によって物語りはどう変わっていくのか?
ゴールデンカムイ192話「契約更新」始まります。
ゴールデンカムイ【ネタバレ】192話
君の玉
~野田サトル監督作品~
君の玉。
右「もしかして私たち・・・・・・」
左「もしかして俺たち・・・・・・」
「「入れ替わっちゃう~!?」」
宇佐美は登別温泉の名物である「滝の湯」をチンポにあてて楽しんでいたが、菊田の登場ですぐに直立不動となる。
菊田から暗闇を下駄で逃げる不審な男について聞かれるが、宇佐美は信じていない。
「真っ暗な雪山で下駄を履く人間?」
「冬でも雪下駄というものがありますし、暗闇を逃げて行ったとて眼が慣れていただけかもしれないし」
「一体それのそこが変な話なんですか? ・・・・・ったく」
宇佐美はここまで話すと「僕は忙しいんだッ」といって再び滝の湯をチンポに当てる。
「本人から聞いたらいい・・・なあ? 有古一等卒」
菊田は宇佐美の態度を気にすることなく、新たな登場キャラである有古を呼んだ。
「下駄の音がしたんですが・・・・ 雪に残された足跡が下駄ではなかった」
「わら長靴の足跡でした」
「・・・・で? 何をそんなに怪しんでいるんだ?」
宇佐美が問いかけると、菊田が「ほら・・・ 他にもあったろ有古」と有古を急かす。
「着ていた服が気になったんです 妙な柄の服で」
二階堂が「どんな?」と聞くが、「それが良く見えなくて・・・ なんといえばいいのか・・・・」と有古が気まずそうに言う。
「あんたら戦争が終わってから、ずっとここでのんびりしてたから ボケたんだ」
二階堂の言葉に「コラコラ二階堂・・・」と宇佐美が制する。
宇佐美と二階堂が鶴見の命で菊田に会うべく登別にきたのなら、二階堂のストレート過ぎる発言はよろしくない。
宇佐美はそう感じているのか二階堂を制する時の顔が真剣になっていた。
場所は滝の湯から変わって宿泊する部屋の中になっても、未だに不審な男の話を続けていた。
「そもそも有古一等卒はなんでそんな山奥の温泉に?」
「そこはアイヌしか知らない秘湯だから・・・」
「お前アイヌか?」
そうだと答える有古に「じゃあそいつもアイヌでは? 妙な柄の着物もアイヌの文様だ」と宇佐美が言うが「アイヌの服ならわかります」と有古が答える。
「俺はその話が妙に気になったんだがなぁ 気にしすぎかなぁ?」
「按摩さん知らない?」
菊田は按摩を受けながら言うが、その按摩をしている男こそ「都丹 庵士」だった。
「アイヌの変わった文様の服ですか? さぁ・・・今度見かけたら教えますよ」
都丹は軽い答えに宇佐美も「あはッ 言うねぇ」と言う。
相棒の契約更新
都丹が登別で按摩をしているころ、ニヴフ民族の集落に杉元たちは滞在していた。
「ニヴフもエノノカたちと同じようにイヌをたくさん飼っているんだな」
チカパシは他民族との共通点が珍しいのか「カヌン・イクル(犬繋ぎ竿)」を見ながら言う。
「これニヴフの夏の家、丸太で作ってある」
エノノカは「ケラフ(夏の家)」を見上げながら言う。
エノノカによると樺太アイヌやウイルタ民族でも夏の家を作るらしい。
樺太アイヌは「サハ チセ」という木の皮で作った家を。ウイルタ民族は「カウラ」という小屋のような家とのこと。
エノノカの言葉にチカパシは「へぇ・・・ 僕らはひとつしか作らないよ」と感心している。
さらにエノノカは冬の家についても話し始める。
ウイルタの冬の家はトナカイを飼っていることから、建てやすい動物の皮の家「アウンダウ」を建てる。
樺太アイヌとニヴフの冬の家は似ていて、穴を掘って土で作るそうだ。
エノノカの民族紹介にアシリパは「ニヴフの服はウイルタと似ているな」と言う。
「わたしたちはちょっと違って、ちょっと似ている 北海道にいたら知らなかった」
アシリパがエノノカの話を聞いているころ、「トラフ(ニヴフ民族の冬の家)」では杉元たちが話し込んでいた。
「どうして尾形はキロランケと組んでいたのか、この男が少数民族の独立に共感するとは思えないが」
谷垣の言葉に同感なのか、鯉登も「本当に純粋に金塊が欲しいだけなんだろうか」と言う。
「そうであって欲しいね」
「気兼ねなく殺せる」
そう言ったのは杉元だった。
一方で、キロランケの爆弾で深手を負った月島は横になりながらスヴェトラーナを呼ぶ。
かつて杉元や鯉登や月島が世話になった灯台守の娘スヴェトラーナは、家出の最中だが、両親は誘拐されたと思っている。
「俺は島を出たいアンタの気持ちもわかるし、無事を知りたいご両親の気持ちもわかる」
「岩息について行って大陸へ渡れ、だが手紙を必ず書け・・・ 俺が帰りに届ける」
「生きていることさえわかれば、真っ暗な底からは抜け出せる」
月島の言葉にスヴェトラーナは「わかった約束する」と答えた。
「あたしこの島から逃げることばかり考えていた」
「監獄でソフィアというひとがいたの、とっても強い女性だった」
「あたしもソフィアみたいに強くなって、首都サンクトペテルブルクで成り上がる」
「金持ちになって両親を呼び寄せるわ!!」
そういったスヴェトラーナは岩息とこのあと大陸でなぜか大冒険を繰り広げるのだが、それはまた別の話。
「アシリパさんもお婆ちゃんに元気な姿を見せなきゃな」
杉元がそう言うと、「鶴見中尉は許さないんじゃないのか? 私がコタンに戻るのは」アシリパが少し困惑しながら答える。
「たしかに・・・ 刺青人皮の暗号を解くまでは離さないだろうな」
「でも奴らにとって、アシリパさんが必要なのはそこだけだ 土方歳三たちよりはマシさ」
杉元の言葉にアシリパは「どうして? アチャは土方歳三と協力させるために、私に金塊を託したのでは?」と聞く。
「あのときアチャから何か聞いたか?」
アシリパは網走監獄で父親が殺された時、近くにいた杉元が何か聞いたのではないかと問いかける。
『アシリパは山で潜伏し・・・・・戦えるように育てた・・・・・』
『私の娘はアイヌを導く存在・・・・・』
杉元はアシリパの父から娘を戦うために育てたことを聞いていたが、アシリパの問いかけに「いや何も・・・」と答える。
「金塊を見つけることでアチャがなぜ殺されたのか真相がわかるかもしれない」
「杉元はどうするんだ? 鶴見中尉に協力して刺青人皮を集めるのか?」
「従うつもりはねぇけど、刺青人皮を全部取られたし現状で一番金塊に近いのは鶴見中尉だ、まずは金塊を見つけてやるさ」
「じゃあ、まだ道は同じだな私たち・・・・」
「そうだな相棒の契約更新だ」
杉元とアシリパが相棒の契約を更新したところで今回はここまで!
ゴールデンカムイ次回193話はどうなるのか?
今回の192話で登別の山奥にある秘湯に出没するのは都丹であることがわかりました。
しかも都丹は敵中で按摩をしているなんて・・・
杉元が言ったように、現状で一番金塊に近いのは鶴見です。
土方側も都丹を使ってなにか企んでいそうですね・・・。
アシリパと杉元も同じ道を行くことを確認して、相棒の契約更新です!
この二人が北海道に戻ったとき、状況が大きく動くことになりそうですね。
次回も見逃せません。