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約束のネバーランド【ネタバレ】第130話「報告」感想!

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約束のネバーランド【ネタバレ】130話

エマは〝七つの壁〟に行く事を全員に報告する。
そして「鬼を絶滅させたくない」という真意を正直にみんなに話し始める。
エマは
自分が後悔せずに納得できる選択(みち)、
ノーマンが救われる選択(みち)を探したい―———————
と、心からの本音を吐露するのであった。

周りからはいろんな議論が交わされるが
結局のところ―———————
「絶対無事で帰って来る。」とギルダと約束するエマを
みんなは快く送り出すのであった。

その日の夜。

全ての準備を終えたエマとレイは
〝七つの壁〟へと向かう旅——————————
鬼と人間の世界の命運を握る
〝明るい未来〟を作るための最後の旅へと
その足を一歩前へと踏み出すのであった—————————————!!

 

 

エマの報告

「ごめん! 私〝七つの壁〟に行ってくる!」
エマがみんなに突然報告する!

!!?   ええ~~~~っ!?

「ちょっと待って・・・どういうこと?」
小さな子供達から疑問の声が上がる。

「それなんだけどさ・・・。」
エマが朗らかに答える。
「実は私・・・鬼を絶滅させるのはいやだなあって・・・。」

「ええ~~~~っ!!」 子供達から大きなドヨメキが沸き起こる。

エマは続ける。
「鬼の〝絶滅〟や〝根絶やし〟って・・・・
確実で正しくはあるんだけど・・・
実際に想像すると・・・
私にはとてもできそうにはない・・・・。

みんなも想像してみて———————————
悪い鬼ばっかりならまだしも・・・・
何も知らないで普通に暮らす町の鬼達・・・
私達みたいな子供とか赤ちゃんとかもいるって・・・

そんな鬼達の食料を絶って、
退化させて野良鬼にして・・・絶滅させるってさ・・・・
そこから―————————
どれだけの恐怖と憎しみを生み出すのか・・って・・・。」

みんなの顔が驚きと困惑に歪む。
誰も言葉が出て来ない。

「私はできるなら鬼を殺したくないし、
誰にも鬼を殺させたくない。」
エマはみんなにゆっくりと言葉を投げかけるのであった—————————————。

 

 

ここでエマは———————
今まで一人でずっと考え続けてきた事を
みんなの前で報告する。

それは・・・エマ達の本来の計画であった〝七つの壁〟へと赴くこと。
鬼の神と〝約束〟を結び直すということ。
それは〝鬼を絶滅させたくない〟という願いから来ているのだ。

みんなのリアクションは予想された通りで、
「驚き」と「困惑」と「悲しみ」に満ちたモノであった。

このイヤな空気が流れる中で・・・・
エマはみんなを説得することができるのだろうか?

緊迫感が走る状況だが、次へと読み進めよう。

 

 

理想と現実の狭間で

「それはムジカやソンジュも殺すのかって話にもなるしな。」
レイがエマの言葉を受けて指摘する。

「でもこれは全部私のワガママだから・・・・」
エマはゆっくりと言葉を噛み締める。
「みんなを巻き込むつもりはないの。」

「ノーマンも作戦を止めたり待ったりするつもりはないって言ってたし、
〝絶滅〟以外の方法ができるかどうかもまだわからない。」

「だから私とレイでちょっと行ってくる!」
エマは飛び切の笑顔でみんなに宣言する。
「私は後悔しない選択をしたい・・・未来を選びたいの。」

「どれだけ憎くても・・・
想像もしていなかった敵の一面ってのはあるしな・・・・」
サンディが呟く。

「でも私は鬼が嫌いよ・・・!」ジリアンが口を開く。
「確かにエマ達の言うことはわかるし―———————
勿論ソンジュとムジカは殺したくはない・・・・・。」

「けど・・・!」 ジリアンは叫んでいた。

「私は鬼達よりもみんなやエマが大事!
それが何よりも大切なの!
私は仲間を守りたいの!
そのためなら・・・
子供だって・・・
赤ちゃんだって・・・・
私は・・・私は————————————!」

ううう・・・
ジリアンはポーラの胸中で泣きぬれるのであった。

「でもなんで・・・・」ギルダが堪らずに食ってかかる!
「エマはついこの前、鬼に殺されかけたばっかなのに!」

「頭おかしいんだよ!!」とレイ。
「俺も最初はそんな風には思えなかったしな。」

「ま! でもそれがエマだよな。」ドンが笑いながら言う。
「しゃ——ねえ! 行ってっ来いよ!」

「だってエマとレイの2人が考えに考えて・・・・
悩んだ末に出した答えなんだろ。
そりゃ俺も〝七つの壁〟のリスクは避けられたらとは思うけどさ・・・。」
ドンは少し畏まる。

「俺はエマの理想も嫌いじゃねぇし、
何よりも〝リスク背負っても悔いのない人生を〟————————
それが俺達がいつだって選んできた〝自由〟だろ?」

「どうせ止めても聞かねえだろうしな!」ドンはワハハと笑い飛ばす!

「でも・・・!」ギルダが反論する。
「エマが危ない目に遭う必要はないんんだよ・・・
それってすごく危ない道なんだよ・・・?」

「ごめんね・・・心配かけて・・・。」
エマはギルダをギュッと抱きしめる。

「でもこれが・・・私が納得できる選択(みち)なんだ。」

「それにね・・・今回はそれだけじゃなくて―——————————」
エマの瞳に哀しみが一瞬だけ宿る。

「もうノーマンに自分を殺させたくないんだ!」

エマは力強くそう言い切るのであった———————————————。

 

 

〝自分を食べようとした鬼を救いたい〟と言うエマに——————————
「頭おかしいんじゃねえの?」とストレートに突っ込むレイ。少し笑ってしまう。
普通に考えるとレイの言う通りで・・・・
自分の命を奪おうとした鬼を「救いたい!」なんて
口が裂けても言えるわけがない・・・

が! エマは常人とは違うのだ!
そう、全ての生命を救い、殺生をなくそうとしているのだ!

例えるならこの世界に降り立った仏様のような存在。
今、この混沌とした世界に必要とされる救世主なのである。

そしてここで注目したいのが
「ノーマンに自分を殺させたくない!」
というエマのショッキングな言葉。
これは一体どういう意味なのだろうか?

早く知るためにも急いで次へと読み進もう!

 

 

ギルダとの約束

「え? ノーマン?」
エマの意外な言葉に一同はキョトンとする。

「ああ、あいつはまた同じことをしようとしている。」とレイ。

「命を捨てようとしたり・・・
断とうとはしていないけど・・・
また私達のために心を殺して・・・
全部背負って・・・
片をつけようとしている。」エマが哀し気に言う。

「俺もエマも全然納得してはいない。」レイが憮然と言う。
「前のアイツの出荷と俺達の脱獄。
アイツはあれが唯一の正解で、成功だと思ってるんだろうが—————————」

「全然成功じゃない!」エマがキッパリと言い放つ。
「確かに・・・・
今までみんな頑張ったし
まだ何も終わってはいないけど・・・・
私達は・・・
ノーマンを〝出荷〟という形で行かせてしまった時点で・・・
あの脱獄は〝本当の成功〟じゃないんだよ!!

もう今度こそノーマンに同じ思いをさせたくない!
そして『やってみなきゃわからない!』ってことをノーマンに証明したいの。

これってやっぱり〝私のワガママ〟なんだけどさ―—————————
〝七つの壁〟へ行って可能性を確かめて来たいの!」

エマはみんなに向かって両手を広げる。

「できるだけ早く戻って来るよ!
ノーマンが鬼の王族・貴族を殺す前に———————。」

「でも・・・もしもの時はみんなも〝後悔しない道〟を選んでくれ。」
レイが厳かに口を開く。

「それと—————」とエマ。
「ノーマンの事をお願い・・・。」

「・・・バカ。」ギルダが答える。

「もしもの時なんて聞きたくない。
絶対生きて帰って来て・・・
嘘でもいいからそう約束して・・・・。」

「うん、嘘はつかない―——————
でも・・・
何がなんでも無事に帰って来るって約束はするよ!」
エマはギルダの前髪を撫でながら力強く言う。

「絶対に帰ってくるよ!!」

「わかった! 留守は任せなさい!」
ギルダがエマの両手をしっかりと握り締める。

「思う存分、行ってらっしゃい!」

取り囲む仲間達も全員が笑顔でエマを見つめている。

「うん!」
エマはみんなの笑顔に
大きな笑顔で元気よくそう答えるのであった———————————!

 

 

「絶対に無事で帰って来る!」とギルダに誓うエマ。
それにしても、毎回エマを待つギルダもホントたまったもんじゃない!

こんなにも魅力的で―———————
行動力とリーダーシップに満ち溢れる友達を持ってしまうと、
こんなにも大変で疲れるものなのか!!

「ギルダ! お疲れ様!! 何も心配いらないよ!」と、
彼女をジンワリと労いたくなる読者も少なくない筈!

このギルダの想いも一緒に携えて
エマはこれからも頑張ってくれるはずである!!

 

 

出立の時

―—————————屋敷の中、ノーマンの部屋。
そこにはノーマンとヴィンセントの2人がいた。

「エマ達の出立は?」
ヴィンセントがノーマンに尋ねる。

「『月が出れば今夜にでも』だそうだ・・・・。」
ノーマンが答える。

ノーマンの険しい表情、
冷たさが漲る双眸は・・・・
遥か遠くを見つめ続けるのだった。

 

そして―————その日の夜。
見上げれば・・・
〝美しい満月〟が星空に転がっている。

荷物の準備を終えたエマとレイは
仲間達とアジトの外にいた。

エマは手に「金の水」と「野草」を持っている。

「じゃあみんな行ってくるね!」
エマが明るくみんなに呼びかける。

―————〝鬼の神様〟に会いに、いざ〝七つの壁〟へ!!

こうしてエマとレイは
「人間と鬼が共存する世界」と、「明るい未来」を作るための旅、
〝2つの世界の命運〟を賭けた・・・
これが本当に最後になるであろう
「希望の旅」へと歩を進めて行くのであった——————————————!!

 

 

とうとう出発の時が来る。
美しい満月と明るい仲間達がエマとレイを見送る。

旅立つエマとレイの顔には
笑顔こそあれ何の迷いもない。
凛とした清々しさが顔一面に漲っている。
それはエマが無事に帰って来ることを信じて疑わない仲間達も同じであろう。

そう、これこそがエマが望み、理想とする
誰もが傷付かない、
輝く未来を作るための————————
希望に満ちたスタートラインなのだ。

 

 

約束のネバーランド130話の感想

今週の「約束のネバーランド」は———————————
全編を通してエマの考えや、
どういう目的で行動するのかなどの・・・
エマの「行動理念」がしっかりと語られる。

「エマの計画」の根本にある骨組みは
〝鬼の絶滅は避ける〟で、
そこには———————
1.できるだけ鬼は殺さない。
2.誰にも鬼を殺させない。
―—————の大きな2本の柱が立っている。

そしてその2本の柱の土台となっているのが——————————
〝ノーマンを絶対に悲しませない〟という強い願いである。

今回の革命において
ノーマン自身が全てを背負い、
全ての罪を贖う覚悟をしていること———————

そしてノーマン自身が誰よりも一番深く傷付いていることを
エマはとっくに見抜いていたのだ・・・!!

エマのこの洞察力には感涙ものである! もう脱帽と言うほかない!

それが—————————
「ノーマンをこれ以上殺させはしない。」
というエマの言葉に如実に現れているのだ・・・

このままでは、
この計画自体にノーマンが殺されてしまう!

「違う方法を見つけてノーマンを助けなければ!!」

そんなエマの心の叫びが
我々読者の耳に痛いほど響いてくるのである!

しかもエマは・・・
過去の・・・
ノーマンの出荷を・・・
ノーマンの悲しみを救えなかった・・・。
それがトラウマとなっていたのだ!

だから・・・
今度こそ本当にノーマンを救いたい!

このエマの「想いが」―——————
一番強く込められたのが今回のエピソードなのである。

さて、来週————————
いよいよ〝七つの壁〟への旅の始まりである!

エマとレイの行く手には何が待ち受けているのか?
約束を結び直すことはできるのか?
そしてタイムリミットまでに無事戻って来ることができるのか?

数々の謎をはらんだまま、
物語はクライマックスへと激しく突き進み続ける。

そんな中でも——————
エマの心が少しでも納得がいくように、
エマが少しでも笑顔でいられるように、

そして——————
エマの「思い」が少しでもノーマンに届くように・・・

我々読者はこれからも
強く祈り続けていくことを誓いながら
今回のレヴューを終わろうと思う。

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