ナツオの部屋に隠れていた雅。
抜け出そうとする最中、ルイと鉢合わせてしまい……。
ドメスティックな彼女196話ネタバレ
雅を見つけたルイはまず、目を擦りました。
そして一言発します。
「幽霊……?」
ルイの発言を受けた雅は、演技スイッチが入りました。
「あ……あ、寒い」
「寒いわ。ここはどこなの……?」
「何もわからない」
「あの男が自殺に見せかけ私を殺した夜から……」
「絶対に許さない」
雅の演技にナツオも乗っかります。
「いきなり何言ってるんだよ、ルイ。俺には何も見えないぞ?」
「確かに霊とか出てもおかしくないくらい古い建物ではあるけど」
「ここには俺しかいないってのは、ルイが一番よく知ってるだろ?」
「怖いこと言わないでくれよ」
そんなナツオに対しルイが返した言葉は――。
「うん、あたしも幽霊初めて見るから驚いてる」
「ってなるワケないでしょ」
ルイが演技を信じるはずもなく、ナツオと雅は事情説明をすることに。
ルイにまず発言したのはナツオでした。
「今回のことに関して、俺は一つも悪くないんだ」
「一つも? じゃあさっきの大根芝居はなんだったのでしょーかっ」
「いや、穏便に済むならと思って」
「へええ。脚本担当といえどこんな下手な人が演劇サークルにいていいのかって程のあの演技で穏便に?」
ルイは怒りのあまり顔面崩壊気味です。
ですがルイの言い分もあるようで……。
「ナツオに悪気がないことはわかってんの!」
「あたしも暫くナツオの彼女やってきたんだし、何か事情があるんだろうなって」
「ただよ。どんな経緯にせよ、下着姿の女子がこの部屋にいたことは事実なワケ」
「あたしがいない間、あんたにその気がなくても、こういうトラップにまんまとかかるのかと思うと、すっっごい不安!」
そう告げた上で、ルイは雅と二人きりで話すことを望みました。
ナツオを外に追いやり、雅とルイは二人、部屋の中で向き合います。
「やっぱりナツオのこと、好きなんだ」
「藤井くんとはその、サークルの仲間という関係だけなので」
「好きじゃない男の部屋に、こーんなスケスケ下着で来ます? フツー」
ルイが雅の服をまくり、下着を見ます。
突然の行動に、雅が悲鳴をあげました。
「あたしから盗るつもりだったの?」
「本当に海外行くんですか?」
「あなたからしたら『朗報』ってとこなんだろうね」
「そんなこと……!」
ルイの言葉を、雅は否定します。
「いえ、確かに私の立場なら喜ぶとこなのかもしれません」
「でも、ルイさんの気持ち考えるとなんか……辛くなっちゃって」
「実質夢と彼との時間とどっち取るかってことだろうし」
「相当悩んだだろうなって」
雅の言葉に、ルイは少し困ったような顔を見せました。
「変な人」
「そりゃ悩んだよ、すっごく」
「誰かさんのおかげで違う方向に悩みが深くなったけど」
ルイの言葉に謝ることしか出来ない雅。
ですがここから、ルイの真面目な話が始まります。
「もっと強力なライバルは他にいるから」
「ただナツオ、これから小説の方も忙しくなってくみたいだしさ。あたしの方も仕事大変になってくし」
「そんな中離れ離れで支え合うことができないのはお互いに大丈夫かなって、不安な所はあるんだよね」
「ましてこの間みたいに刺されたりとか……」
「ヒナ姉守ってくれたのはありがたいけど、ああいうことあるとホント心配でさ」
すると、黙って聞いていた雅が口を出します。
「お姉さんはルイさんにとっても大切な存在だったんですね」
「そりゃあね。二人っきりの姉妹だし」
「…………え?」
ヒナとルイが姉妹であることに気付き、雅は驚きを隠せません。
「もしかしてそのお姉さんて、一緒に新人公演観に来てた方ですか?」
「そうだけど」
「その方を守って、藤井くんは刺されたんですよね」
「!」
「確かニュースでは……」
「もういい! 話は終わったから帰って!」
ヒナとルイ、そしてナツオ。
三人の複雑な関係に気付いたらしい雅を、ルイはすぐに部屋から追い出してしまいました。
雅を追い出した後、ナツオが部屋に戻ってきました。
「ちょっとミスったかも。どんな様子だった? 芹沢さん」
「え? なんかボーッとしてたけど」
「言っとくけど、芹沢さんにはなびかないでよね!」
「いやいや、芹沢はそういうので来てたワケじゃ……」
「それでも! あと……不安にさせた罰として、向こう行くまでいっぱいわがまま聞いてもらうから」
ルイはルイで、雅のことを少し心配している様子。
ですがすぐに、最初のわがままを告げます。
「手始めに、今日のキスノルマ10回ね」
「そんなんお安い御用だばかぁ!」
「ちょっ、あたしがしてって言ったらするのー!」
「嫌だ、待てない」
「そっちのわがままになってんじゃん!」
ルイとナツオは、雅に邪魔されたことも忘れ、イチャつき始めました。
別の日のこと。
大学から帰ろうとするナツオにサークル仲間が話しかけてきます。
「よっ。今日サークル顔出す?」
「あー今日はちょっと用事あってさ」
「バイト?」
「ううん、小説関係の方で」
「ああ、例の単行本の」
「退院したからには着々と進めないとでさ」
「そっか。あれで大分ロスしたもんなぁ。頑張れよ」
サークル仲間と別れると、一人で道を歩いていきます。
そんな時、突然スマホから音がなりました。
「はい、もしもし、蔦谷さん?」
「どうもお疲れ様です」
「ええ、はい、これから向かおうかと」
「いや、大丈夫ですよ、一人で。子供じゃないんですから」
「それより話、通して下さってあらがとうございました」
「しっかり焼き付けてきますんで」
ナツオが向かった先。
それは、ヒナを襲おうとした犯人である種部が収容されている場所でした。
「お久し振りです、種部さん」
ナツオは自分を刺した相手と面会室で向き合います。
ドメスティックな彼女197話考察
雅、多分ヒナとルイとナツオの関係をわかってはいないです。
わからない方がいいとは思いますが……。
ルイは雅のことを警戒しつつ、ナツオがトラップに引っかかりやすいのを知りつつ、それでも海外修行に行くようですね。
そしてやはり、ルイがライバル視しているのはヒナでしょう。
ルイとヒナの関係が今後どうなるかも気になります。
そしてナツオは、あの種部と面会することになりました。
種部の話を聞いて、小説のネタにするつもりなのでしょうか。
種部、相変わらず目が怖いです。
種部から何が語られるのかは……次回、明らかになります。