ゴールデンカムイ167話のあらすじ
鯉登達とはぐれ、吹雪の中で遭難してしまった杉元達。
杉元達は生き残るために、雪濠を掘って難を逃れようとしたが、凍りついた地面は僅かにしか掘れなかった。
それでも杉元達は解体したソリを燃料に焚き火を起こし、ソリを引いていた犬たちを掛け布団にして暖をとったが体力は限界を迎えようとしていた。
体力が消耗しきった杉元が日露戦争の時を思い出していた時、アシリパの声が聞こえた気がした。
杉元が目を開けると、吹雪の中で見えたのは一つの光だった。
その光は鯉登達がたどり着いた灯台に設置されていたフレネルレンズから発せられるものであった。
しかもレンズの周りを鯉登がうろついたことで、光がちらつき、杉元は見えている光が月の光ではなく、灯台の光だと知ることが出来た。
遭難した杉元たちが、灯台を発見し窮地を乗り越えたところから
ゴールデンカムイ第168話「灯台守の老夫婦」始まります。
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ゴールデンカムイ168話ネタバレ
【樺太灯台、煌々と】
杉元達を遭難から救ったのは「第二等不動レンズ」の光だった。
(灯台のレンズは大きく分けて「不動レンズ」と「閃光レンズ」があり、大きさによってそれぞれ一等から六等まで区分されている)
灯台にたどり着いた杉本達の姿は、チカパシは谷垣に抱えられ、谷垣と杉元も肩で息をするようほど凍えていた。
そんな杉元達が目にしたのは「スーシュカ」という菓子パンを食べ、お茶を飲む鯉登の姿だった。
しかも、この「スーシュカ」お茶うけにとても合うらしく、鯉登が「鶴見中尉殿に教えてあげたい」と言うほど。
優雅なティータイム見せ付けられた杉元達だったが、まずは身体を温めるのが先と言わんばかりに老夫婦が「ペチカ」を用意してくれた。
この「ペチカ」とは薪の暖炉の裏の上にあり、現代でいうロフトベッドのような物で、月島の解説によると部屋で一番暖かく、ロシア人はそこで寝るのだとか。
それを聞いた杉元達は「ペチカ」で三人仲良く身体を温めることにした。
しかし、決して広いとは言えない「ペチカ」に三人も入ったことで、鯉登からは「ふふ・・・虫みたい」と笑われてしまう。
「お前ら命拾いしたな」
そう言ったのは月島だった。
月島によるとこの灯台は日露戦争以降はもう使われていないものらしくい。
「この人達がいなかったら、お前ら今頃カチンコチンだ」
そういった月島が「ありがとう」と老夫婦に言うと、老夫婦はにこやかに微笑んだ。
杉元達がソリを燃やしてしまったので、道案内を勤めていた「ヘンケ(おじいさん)」がありあわせの材料でソリを作ってくれた。
その出来栄えに杉元からは「さすがヘンケだぜ!!!」と言葉が漏れる。
月島も「これで出発できる」と安心した様子。
一方で谷垣は吹雪の中で、リュウが列を外れようとしたのは、灯台の位置を考えるに前に走っていたソリについて行こうとしてたと思うと言う。
それを聞いた杉元はリュウを撫で回しながら、疑ったことを謝り、立派なソリ犬になれると褒めた。
リュウも寝転がってお腹を見せていることから褒められるのは満更でもない様子。
(いつもなら手を噛まれるのがお約束ですが、今回の遭難で絆が芽生えたのでしょうか・・・)
褒められたリュウが他のソリ犬を見つめバチバチとライバル意識を燃やしていると、鯉登の悲痛な声が聞こえた。
「月島ァ!!!」
焦ったように月島を呼ぶ鯉登の手には、見事に張り付いた一本の金槌があった。
そんな鯉登の様子に月島も声がでないらしく、あきれたような月島の顔が見られる。
月島によると、こんな気温なのに素手で金属に触ればそうなるとのこと、さらに無理に剥がすと手の皮が破れると言った。
これには薩摩隼人である鯉登も冷や汗が止まらない様子。
月島が「誰か小便をかけて溶かしてやれ」と声をかけると、いつもより凛々しい顔で杉元が名乗りをあげた。
それを聞いた鯉登は人目につかないように、杉元と吹雪の中に消えていった。
杉元の小便により鯉登が金槌を取り除くことが出来た頃、チカシパは老婦人の料理の手伝いをしていた。
薪のかまどを使って出来上がった料理は「ペリメニ」と「ボルシチ」だった。
(「ペリメニ」とはひき肉や野菜なども入れる餃子的なロシア料理です)
「なにこの汁物 真っ赤じゃん!!」
そういって驚く杉元に月島がボルシチの説明を行う。
(ボルシチが赤いのは「ビーツ」というカブの色素だったんですね・・・)
チカパシは「『おいしい』はロシア語でなんていう?」と聞くほど、自身が手伝った料理が気に入った様子。
ロシア語で美味しいが「フクスーナ」と知ると、みんな次々と「フクスーナ」と言うあたり、味はみんなが満足できるものであったらしい。
みんなの「フクスーナ」に老夫婦はニッコニコ、通訳の月島によると、いつもふたりだけなので賑やかな食事は嬉しいとのこと。
月島の言葉に杉元は「ご家族は他にいないの?」言う。
そんな時、鯉登が壁の写真を指差しながら、「あの写真は娘か?」と声が上がる。
すると、先ほどの笑顔が嘘のように老夫婦の顔から笑みが消え、重苦しい顔つきとなった。
杉元が訳を聞くと、灯台守として老夫婦は娘と三人で穏やかに過ごしていたが、ある日やってきたロシア軍の脱走兵に娘を連れ去られたとのこと。
娘を連れ去られた老夫婦は、娘をあちこち探し、軍や政府にも探してくれるように頼んだが、一切なにもしてくれなかったとのこと。
やがて日露戦争で樺太に日本軍が上陸すると、ロシア政府から灯台を利用されないように灯台を破壊するように爆薬を渡された。
しかし、政府に憤っていた夫婦は素直に灯台を明け渡したとのこと。
灯台を明け渡してから、しばらくして北に新しい灯台が出来たため、老夫婦の灯台は使われなくなったが、灯台で娘の帰りをずっと待っているのだそう。
明るい食事から一変して、重い空気に包まれた。
「娘さんのことがあって灯台は残り 俺達が命を救われたってことか・・・」
そういった杉元は老夫婦に娘さんの写真を一枚借りたいと申し出た。
翌日、老夫婦に感謝を伝え一行は出発する時、杉元は老婦人から娘を見つけてくれるように頼まれる。
本来の目的があるため月島は娘探しを咎めるが、杉元は行く先々で聞いて回るくらいは負担にならないと言い切る。
「本来の目的が最優先だが、何の恩返しせずにサヨナラはできねぇよ」
そういった杉元は老婦人に空っぽの写真の額に自身の写真を入れておいたからと伝える。
続けて杉元はアシリパの写真を見せた。
「この女の子が灯台に立ち寄ったら伝えてくれ 『杉元佐一は生きてる』って」
そういった杉元は再びイヌソリに乗って出発するのであった。
杉元達を見送った老夫婦が灯台の中で見たのは、綺麗な額に入った杉元の写真であった。
その写真は老夫婦が思わず硬直してしまうほど奇妙な姿であった。
杉元たちが無事に遭難を乗り越え、再出発したところで今回はここまで!
ゴールデンカムイ169話考察
無事に遭難を乗り越え再出発した168話でした。
しかし、アシリパさんとの距離は縮まっていません・・・
杉元はどうやって追いつくのでしょうか?
今後が気になるところです。
さらに今回の168話で出てきた老夫婦の娘さん!
老夫婦がとてもいい人だっただけに、見つかって欲しいところです。
今後の物語の伏線とかないですかね!
次回も見逃せないですね!
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